※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E25 『Sheep Shenanigans』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: トレイシー・ニコレッティ
内容: ディーゼルたちは迷子の子羊を一晩引き取るが、羊の群れが機関庫に長居してしまう。
【このエピソードについて】
冒頭では雪が降っていて冬のエピソードのように見えますが、彼らの台詞と仕事からイースターの時期(3~5月くらい)ということがわかります。まだ寒い気温の春を表しているんですね。時期の描写が素敵です。「トレインタスティック」を使うなと言いたくなりますけどね。
そんな中で、マッコール農場では暖房器具が壊れてしまい、最初は子羊のモニカ(パーシー命名)1匹だったのが、トーマス、パーシー、ディーゼルが親切にしたこともあってか、次の夜から羊大群が暖を求めて押し寄せてしまいます。
ディーゼルが動物に懐かれて「かわいい」と呼ばれ(実際に可愛いのだけど)、本人が内面の優しさを否定するところから、第20シリーズ『ディーゼルのひみつ』に共通していると思った人もいるかもしれません。実際のところ共通点はそれのみで、このエピソードのテーマは「ソフトな一面」ではなく、「動物への思いやり」です。
カートゥーンとはいえ、蒸気機関車は実際に熱すぎるので、羊たちが内燃のディーゼルに寄り添うところが好きです。
しかし、この物語はディーゼルにマッコール農場への配達物(中身は知らされていないけど暖房器具)を忘れさせなければ成り立たないようにできているのが少しイライラする点です。1度目は機関庫に再びモニカがいることに気を取られているのでまだ良いですが、2度目以降は… 展開のために忘れさせているような感じがしました。
ディーゼルは終始常に羊たちの安全に気を遣っているが故に、頭がいっぱいいっぱいになって忘れる羽目になるので、そこは私も共感できるのですが、私がイライラした理由は視聴者目線でその木箱の中身が暖房器具だと直接わかるように描写されていることだと思います。2度目に例えば『Diesel's Dilemma』みたいに、事情を知らない他の機関車に別の用事で呼ばれるとかだったらまだ納得がいったかもしれません。
線路上の羊たちをどかすときに汽笛が使われるのに、汽笛を鳴らして羊が並んで着いてくるのは皮肉なものですね。挿入歌は明るく楽しい曲で、「羊を数えている、眠りにつくためじゃないけど」とか、「fuzzy hed」と「cozy bed」を掛けた羊に関連した歌詞は面白いのですが、「It's cool to let your caring show」って歌詞は… どうなんでしょう。道徳的とはとても思えないのですが。
また、いくら大量だったとしても、エピソードで2回くらい家畜運搬車が使われていたのに、扱わない理由はなんですかね。挿入歌は要らないように思えました。
でも、ディーゼルと羊の組み合わせはなんだかんだで暖房器具の灯火のように心がぽかぽか温まりました。かわいい。
【チェックポイント】
マッコール農場の内部が映ったのはこれが初めてですね。どうして中にまで線路が続いているのだろうと思ったらこういうことでしたか。
もふもふのディーゼル。かーわいい。
全体的な面白さ:☆☆☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
不満点はありますが、動物を気遣う道徳を気に入っています。ディーゼルが可愛いに包まれているのもよかったです。
総合評価: 6/10