※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E30 『Valentine's Hearts』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: スーザン・キム
内容: バレンタイン・パーティーに何を準備すればいいかわからないカナは、電気を使った巨大なハートを作って見せることを決心する。
【このエピソードについて】
バレンタインの話が続きます。そうですね、今回もまたカナにはかなり共感しやすいですね。種類を問わず一度でもパーティーや結婚式等に招待されたことのある人なら、何を用意したらいいか考え込むこともあるのではないでしょうか。
まあ今までカナが日本出身として扱われたことは一度もないのですが、特に日本人にはバレンタインデーって主に商業的な理由*1で「女子が好きな人にチョコを送る日」という認識と習慣が根強いですよね。
私の場合は、性別関係なく好きな人にお菓子を作ってプレゼントすることはありますが、「じゃあバレンタインのダンスパーティーをしよう!」と、なった時にきっと何をしたらいいのかわからないと思います。固定観念があるとそのコンセプトとしてパーティーに何が必要かきっと悩んでしまいます。
幸いにもカナにはカナにしかできないユーモアのあるアイデンティティを見つけます。そう、放電による絵文字ですよね。それをすぐに思いつかなかったトーマスとサンディーは今まで何を見てきたんだいって感じですが(笑)
大量の電力と体力を消費してまで作り上げたサプライズの巨大ハートが計画を知る2台と視聴者を除いて誰にも見られず散ってしまったのは、見ている分には非常に悲しかったですね。
あと今回のパーシーのダジャレ意味がわからなさすぎる。
カナのアイデンティティを活かしてサンディーのガラクタでできた独創的なハートを救出する場面はダイナミックなアニメーションも相俟ってかっこよかったです。
でも、個人的には印象に残っているのはそこだけです。
なぜなら、この物語には疑わしい瞬間があります。カナの電力回復の都合の良さもそうなんですよね。問題なのは本題が逸れることです。サンディーのハートが壊れた時点から、今までカナの苦労と葛藤に焦点を当てた話が、突然いつものような大大大冒険クラブ全員の話に移り変わるんですよね。トーマスによっていい感じにまとめられているその教訓は、先程までのカナとはあまり関係なくなります。
この綺麗なまとまりを作るなら、最後までカナに寄り添った形で物語を進める方向で終わらせろよと。整備工場に充電台があるなら、なぜ再びカナの電気で作った巨大なハートを打ち上げないのかという疑問が浮かび上がりますし、小さな電力消費でハートを飾るオチで済ませたいなら、電力消費を抑えて無理しないやり方でパーティーを楽しむみたいな教訓にすれば良かったと思うんです。
【チェックポイント】
ハロルドさん、あなたに発電機は重すぎるんじゃなかったの?
ここの線路いつ開通するんでしょうね。マジで。
ダイナミックなアニメーション以外で好きなのは、ディーゼルが素直に自分の過ちを認めることです。しれっと成長したね。テスもこうだったらいいのに。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆
【最終的な感想】
まとまっているようでまとまっていない物語です。カナには共感できたし、いつも通りカナの魅力は伝わるのですが、中盤の時点で解決したとしても、誰も何ら発展していないし、オチがほったらかしで、カナのこれまでが全て無駄に終わった挙句中途半端にものすごく唐突に物語が終わった感じがして、結果的にはがっかりしました。
総合評価: 2/10
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*1:本場も十分商業的ですけどね。