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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第45話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E45 『A Cranky Goodbye』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: ベッキー・ウォンバーグ、サラ・アイゼンバーグ

内容: 喧嘩をしたバルストロードとクランキーは、自分の気持ちを表現する方法を学ぶ。

 

【このエピソードについて】

©︎Mattel

 なんとまさかのバルストロードとクランキーが主人公です。従来のシリーズでは、どちらも常に不機嫌なキャラクターで、バルストロードは貨車に仕返しされて沈没しかけるだけの一発屋だったのに対し、クランキーはたくさんの機会に恵まれました。彼の気難しやな性格は、ソルティーなど他の仲間たちと触れ合っていく過程で徐々にハートフルな瞬間を垣間見ることができましたが、気持ちを伝えようとするエピソードはこれまでになかったですよね。

 

©︎Mattel

 元々不機嫌なキャラクター同士で喧嘩するわけですが、今回のクランキーは随分と子どもっぽい印象を受けます。駄々をこねて混乱を招こうとする様子とか、見栄を張ったりとか。まあその場から動けないのでメインランド話を自慢話と捉えてプンスカ嫉妬するのは理にかなっていると思います。従来シリーズのベレスフォードみたいといえばわかりやすいでしょうか。素直になれないクランキーの言動を失礼だと受け取ったバルストロードもお互い様っちゃあお互い様ですけどね。

 

©︎Mattel

 意図的にキャラクター性を変えられたバルストロードが、ただののんびり屋でなく、従来のシリーズのように口喧嘩をして不機嫌になる一面が見られたのも嬉しいです。

また、バルストロードとクランキーの関係性が明かされること自体も興味深いところですが、本当に良かった点は、AEG第1シリーズ『じょうきでスッキリ』で喧嘩をしたことのあるトーマスとパーシーが学んだ教訓が教訓が活かされていることですね。経験があるのでどう対処すればいいかわかっている2台が、不機嫌なはしけとクレーンそれぞれの友情を修復しようと仲裁に入るのが好きです。深呼吸して改めて謝ることと違って、真摯に友達と向き合い話し合うメッセージ性も良いですね。途中のいじわるタンク車の扱い方も良かったと思います。

 

©︎Mattel

 挿入歌「Talking Makes It Better」はトーマスとパーシーが仲介に入り、クランキーがバルストロードに本心を明かすのを応援する曲です。正直歌詞は陳腐な台詞の羅列のようなもので、US版のクランキーの汚い歌声を目を閉じたとしても、彼らが真摯に向き合う場面は歌じゃなくても良かったのではないかと思いました。(UK版は良かったです)。

また、いまいち感情移入しにくいなと思う部分もあります。これまで何度バルストロードが港から離れたと思っているのだろうとも言えますが、仲が深まるほど、そのように感じられるのは自然だと思います。問題は、これに至るまでバルストロードとクランキーが親友であることが明確にされなかったことです。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 テスが登場した利点として、必然的にバルストロードとの会話ができる機会が増えたことが挙げられます。彼女の性格や接し方は成長させる必要がありますが、冷笑的な様子を見せたり、クランキーの言動に対して図々しいと怒ったり(どの口が言ってるんだか)、バルストロードの長い愚痴を退屈そうに聞いていたりという日常的な反応は興味深い一面でした。パーシーが来たときの嬉しそうな反応が可愛い。

 

©︎Mattel

 前回登場したいじわるタンク車(仮称)たちの性格がここで明確になったような気がします。彼らは、黄土色と赤茶色のいたずら貨車たちとは違って、知的で正論は言うものの相手の言い分を聞かずに話し声を重ねながらベラベラ文句を重ねてバカにする超厄介なヤツらとして描かれていました。パワハラ上司がよくやる手段。この場合、彼らを象徴するTroublesomeを和訳する場合は、"いたずら"よりも、"やっかいな"か、"いじわる"が適切ですね。

 彼らは人を不快にさせる天才かもしれません。でも、もし、あのバカないたずら貨車たちと絡むことになったらどのような相互作用を繰り広げるのかは興味があります。仲良く厄介な行為をやらかすのか、それともいたずら貨車たちの方が言論で負けるのか。

 

 

全体的な面白さ:☆☆☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆☆

道徳:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 少し疑わしい瞬間もありますが、良いエピソードの一つだと言えます。口喧嘩は子どもだけでなく大人もすることがあります。また、挿入歌を批判しましたが、バルストロードとAEGのクランキーが歌う貴重な瞬間は必見です。個人的には日本語吹き替え版が楽しみですね。

 

総合評価: 7/10

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