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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第3シリーズ第7話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S3 E07 『Duck Duck Whoosh!』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: アラン・ニューワース

内容: カナの記録更新のために線路を作る仲間たちだったがカモの池が行手を阻む。

 

【このエピソードについて】

 サブタイトルに"Duck Duck"とあるからと言って、私はこのエピソードにダックが出て来るとは微塵も考えていません。

確かに、脚本家のリック・サヴァルとダニエル・シェアストロムは最近になってダックに興味を示し、特に前者は彼を大人キャラとして出したかもしれない旨をファンへのリプライで言及しています。しかし、S20『ディーゼルのひみつ』のレビューでも書いたように、サブタイトルからダックの登場を期待するのはやや浅はかな考えです。ダックダックグース(ハンカチ落としゲーム)の捩りに見えますし、そもそもAEGにはたびたびアヒル(カモ)池が登場していますから。

カナの主役回ということで、勝手にダックが出ると期待するより、彼女が第3シリーズでどのように掘り下げられるかが楽しみです。

 

©︎Mattel

 誤解のないように先に書いておきますが、私の予想通りダックは出てきません。そしてダックダックグースの話でもありませんでした。

 最初に観た時は、またスピードの話かと思いました。『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』との共通点が冒頭を含めて存在し、一度学んだことをまた繰り返している、そんなふうに見えたんです。

ですが、今回のカナは、ケンジと同じ放電の色になるほどのスピード記録更新という新しい挑戦を行う代わりに、直線の多いメインランドとは異なるソドー島の自然環境のために諦めるという物語で、話が少し変わってきます。ケンジもその前のレースや普段はメインランドにいることが判明しました。

でもケンジと並んだり追い越してるのにカナの放電の色がピンクのままなのはなぜ? 放電自体がカートゥーン的表現なので理屈なんて知ったことじゃないですけど、どういう基準なんですかね。

 

©︎Mattel

 物語には思いやり自然保護の優先に関係する道徳を持ちます。カナのためにカーリーとサンディーが率先して直線のレールを敷こうとするという導入も思いやりから始まっていますね。私益のために勝手に新しく線路を作ることの是非はひとまず置いといて。画面外では許可をもらってるのかもしれないし。あの局長だと「それは素晴らしいアイディアだ!」とか言いそう。

 

©︎Mattel

 後者はBWBA期の当たり障りのないエピソードを思い出すかもしれませんが、そうではありません。オリジナル第22シリーズのどれとも似ていないと思います。線路を伸ばした先がカモだけでなく自然動物が集まる憩いの池だったので、カナはソドー島での挑戦を自らの判断で後悔もなく諦めます。

 先に道徳を紹介しましたが、このエピソードの本質は、ここまででカナがどれほど成長したかを示唆したものです。スピードが全てだと思い込んでいたAEG第1シリーズと長編第1作だったらそう簡単に自分の負けを認めなかったことでしょう。ソドーカップを経て、AEG第2シリーズ以降はスピードだけが全てではないことを実践し、その上でたまに落ち着く場所を欲しがるようになりました。長編で得た教訓と前期で開発されたキャラクター性はこのエピソードでも活きていて、野生動物たちのために、そして自分の癒しのためにも清く諦めるところをカナ自ら見られるのは良い傾向です。ケンジみたいにメインランドへ行けば練習できるでしょうし。線路をつなげず関わらないことにすればもっと良かったのですが

 

©︎Mattel

 挿入歌では、カナがディ⚫︎ニープリンセスになります。

…冗談です。挿入歌「Instead」は、カモたちの池に着くまでに赤い放電ができなかったものの、池を眺めることが自分にとってもっといい発見だったことを伝える歌です。曲名はかなりシンプルですが、曲自体は意外と耳に残るし、歌詞も素敵です。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 US版の子役声優カイ・ハリスがトーマス役を務めたことで、US版のテレンス役は別の子役声優になりました。新たにテレンスを演じているのは同じくカナダ人のミロ・トリエル=マクギボン(Milo Toriel-McGibbon)。2019-2021年の『スヌーピー 宇宙の旅』、2021-2022年の『スヌーピーのショータイム!』でリラン・ヴァン・ペルト役などを担当していました。

カイ・ハリスに比べると高めの声で幼く聞こえますが、元気いっぱいで賢そうな雰囲気はカイから受け継がれていて、とても良い感じです。

 

©︎Mattel

 パーシーが動物たちに対して熱心なのが好きです。いやほんとオリジナル第15シリーズ『パーシーのあたらしいともだち』みたいな結果にならなくて良かった…。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆☆☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 カナの成長を維持しているのはとても良く、安心して観ることができました。しかし、ケンジは前期に比べると再び面白くないキャラクターになりましたカナの先輩としては良い立場なのですが、いかんせんキャラクター性が平凡すぎるんです。彼が謙虚なのは知っているし、最後にカナと一緒にソドー島の自然を認めるキャラクターとしては微妙でした。なので、彼の役割がファローナとフレデリコだったらもっと面白かったのではないかと思いました。もちろんダックでもなくて。

 

総合評価: 7/10

 

 

【AEG第3シリーズ総合評価】

1 What's the Buzz? 6/10

2 Bells are Ringing 5/10

3 Abraca-Diesel 5/10

4 Overcommitted 5/10

5 Sandy's Fine Mess 6/10

6 Nia's Green Surprise 9/10

7 Duck Duck Whoosh! 7/10

 

 

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