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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第3シリーズ第22話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S3 E22 『All for the Nest』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: エヴァ・コンスタントプーロス

内容: カモメがクランキーの上に卵を産みつけ、彼はしばらく動けなくなる。

 

【このエピソードについて】

 クランキーとカモメって切っても切れない縁ですよね。オリジナル第6シリーズから現在のAEGシリーズに至るまでずっとカモメの宿木扱いで、4D作品『Bubbling Boilers』ではスチュアートという名前の友達も出てきました。

 珍しいことに(?)、今期のクランキーの出番は、今の所『Nia's Green Surprise』だけでしたね。クランキーがフォーカスされるエピソードはどの世代でも楽しみです。それでは観ていきましょう。

 

©︎Mattel

 前回とは別の動物保護関連のエピソードですが、正直に言って観ていてイライラしました。いえ、動物を優先すること自体はいいんです。問題はその中身。クランキーのフックの上にカモメの卵を産みつけられたから、バルストロードのコンテナを吊りあげることすらできないというところから始まります。

 まず声を大にして尋ねたいのが、

なぜ誰も彼の隣にいるビッグ・ミッキーの成れの果てに触れないのか

その隣にいる黄色のクレーンは何だ。置物か? わざわざ遠くのテスに手伝いを求める前にそれを試したらどうなんだ。もう一つ、仮にそれがダメだったとして、なぜ誰も移動が可能なベレスフォードに尋ねるという発想にすら至らないの

 

©︎Mattel

 エピソード全体を通してテスと上手くコミュニケーションが取れない状況が終盤まで続くのですが、これがまたイライラするポイントでした。特にディーゼルが好意でクレーン用の潤滑油を持ってきた時、テスから「(潤滑油じゃなくて)助けが欲しい」と言われてもそれを理解せずに戻ってきた時は正気を疑いました。メッセージを伝えるために視聴者の子どもを舐めすぎでは??

 まあ、公平を期すために取り上げると、現実にも大人でさえ話を聞かず何なら話の筋と意図を理解しないで非難するような輩(私に突っかかってきたwikiの人とか)がいるので、コミュニケーションの重要性を説く分には良いとは思いますが、もっと上手く処理できたはずです。

 『Not So Easy-Greasy』や『A Cranky Goodbye』と話のつながりも随所に見られたり、テスが素で喜びの笑顔を見せたり、機関車たちと仲良くなっていっているのも良いですが、未だテスの扱い方は良くない気がしてなりません。テスも上から目線で話すよりコミュニケーションに不備があったことを学ぶべきです。たとえ、それこそが彼女の愛嬌のある部分だとしても、未就学児向け作品である以上は不快に思えます。「どうして言ってくれなかったの」とか訊く前に言う事あるでしょ。

トーマスシリーズよりやや上の年齢層が楽しむ少年・少女漫画であれば、テスのようなキャラクターは喜んで受け入れるのですが…。個人的に、吹替版のテスは声優と口調共に魅力的に見えましたから。

 

©︎Mattel

 これらの低評価点から、クイックドロー橋でカーリーが必死に重いコンテナを磁石で吊り上げようとしている場面さえ心の底から無駄な時間に見えてしまいます。吊り橋を使おうと、磁石を使おうと、カーリー一台では重さで負けることは冒頭でわかっているわけですし。

 

©︎Mattel

 このエピソードの私が思う利点は、素晴らしいアニメーションと、過去作との連続性カモメに気を配るクランキーのハートフルな一面が見られることと、カモメのヒナが孵化する瞬間まで描写されていることくらいです。実際にここの描写はかわいいと思いましたし、テスが機関車たちを認めたことも含めると良いのですが、それでも7分ほどの無駄な時間を埋めることはできません。

しかも、テスとコミュニケーションを取るという物語に絡めるとなると、カモメに卵を産みつけられようが、例えクランキーが故障しようが、大して変わらないことが簡単に予測できます。悲しいことに、これが現実のドキュメンタリー映画でない以上、全てにおいて無駄な演出なのです。

 

 

【チェックポイント】

なし

 

 

全体的な面白さ:USELESSNESS AND AWFUL

遊び心:☆☆

キャラクター:☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆☆☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 この回が好きな人には申し訳ありませんが、私はこの回の全てが無駄に感じて嫌いです。せめてクランキーとカモメの話と、テスに協力する話とで分けてやってほしいし、そうしないのなら子どもの機関車をいい加減バカに描くことを辞め、他のクレーンキャラクターのことも考慮したストーリー性にしてほしいです。高評価点が小さく見えるほど、物語がひどすぎます。エヴァ女史史上最悪のエピソードでした。

 

総合評価: -7/10

 

【AEG第3シリーズ総合評価】

1 What's the Buzz? 6/10

2 Bells are Ringing 5/10

3 Abraca-Diesel 5/10

4 Overcommitted 5/10

5 Sandy's Fine Mess 6/10

6 Nia's Green Surprise 8/10

7 Duck Duck Whoosh! 6/10

8 Choo Choo Check In 4/10

9 Percy's Little Problem 2/10

10 Fill-in Friend 7/10

11 Cake It Easy 2/10

12 The Can-Do Crew 7/10

13 Pizza Picnic Problem 5/10

14 Travels With Terence 3/10

15 Crab Crossing 5/10

16 Driving Winston 8/10

17 The Slowest Race in the World 3/10

18 Bruno's Blustery Day 10/10

19 Night Lights 9/10

20 For Love or Muddy -5/10

21 Percy's Duck Dilemma 6/10

22 All for the Nest -7/10

 

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